朝鮮半島の価値

国と国との間の同盟関係というのは，プラスサムゲーム，つまり，双方に利益がなければ成立しない．また，これを続けるためは常にプラスサムゲームとなるように双方が努力しなければならない．

例えば日米同盟においては，日本は西太平洋とユーラシア大陸を隔てる位置をもち，そこに第一級のインフラ，特に横須賀ベースのドックをはじめとする艦艇補修施設を提供する事で，米国は核戦力を含む軍事力と，世界規模の情報力を提供する事で，双方プラスサムゲームが成立している．

さて，「東アジアのバランサー」を自称する韓国の，日米にとっての価値とは何だろうか．それは，(米国にとっての東アジア最大の拠点である)日本をユーラシア大陸の勢力から防衛するための前線陣地，ということに尽きる．そこを安定的に確保するために，日本は種々の便宜(主に経済面と，いわゆる「在日」という存在を許すということで)を図り，米国は在韓米軍駐留や様々な軍事援助を行ってきた．

しかし，今の韓国は，日韓軍事情報協定締結延期や，どう考えても北朝鮮相手には不要であろう装備(強襲揚陸艦やイージス艦)を次々導入する等，南北統一を目標とはしていない様に見える行動を次々取っている．はたして，日本にとって，ひいては米国にとっての収益勘定はプラスとなり得るだろうか．

もはや，朝鮮半島は大陸の勢力下にあるものとして，安全保障を考えるべきときに来ているのではないか．

# 数ヶ月前まではあり得ないと思っていたが，ここ最近は，韓国の経済破綻をきっかけとした北主導の統一ということもあり得る気がしている．