危険な動機至純論

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英雄の愚行に拍手はすまじ( 小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明)

括弧付きの「英雄」なのだけど.

この著者,今は無き(?)雑誌「Asahiパソコン」でコラムを書いており,当時からおもしろいヒトだと思っていた.

それはともかく,「憂国の士というものがあって,国が滅びるのだ」と言ったのは勝海舟だった(と思う)が,けだし至言である.「憂国の士」と言った時点で,すべての批判が耳に入らなくなる.

で,「憂国の士」が結果的に国を滅ぼした歴史を,日本は持っている.日独伊三国同盟締結前後は,そういった「憂国の士」が策動した.また,世論も強硬論に賛成した.
# それが,現実の政策決定にどれだけ影響したか,は議論の余地があるが.
その結果は,ご存知の通り.

また,動機至純論(動機が立派であれば,その行為も一定の見るべき点があるという論.)も危険である.動機が立派でありさえすれば,どのような手段も許される,にすぐエスカレートする.ガキじゃないんだから,行為責任論で行かねばならない.
# これは,五・一五事件や二・二六事件で見られた.

さて,外から見ていると,どっかの国がそっくりな状況である.

彼らが,大きな代償を払わないでいられることを祈る.願わくば,彼らの大嫌いな大日本帝国の歴史を学んでいることを.

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