2012年8月アーカイブ

「隣人とは仲良く」という同調圧力

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友好強要した日本は韓国に謝罪を――「お隣の国韓国」の起源

タイトルを真面目に受け取ってお怒りなコメントもある様だが,あくまで皮肉である.

それはともかく,「お隣の国」という言い方の影響に関する分析はなかなか.
起源についての真偽は不明なので評価しないとしても,「隣人とは仲良くしなければならない」という日本社会の同調圧力が,意識的か無意識的かわからないが,結果として,日本社会に「日韓友好」という同調圧力を醸成する一因となったということは言えるだろう.

日本はひょうたん島ではないので,対馬海峡を隔てて朝鮮半島と対峙するという地理的現実は未来永劫変わることはない.であれば,「成熟した独立国」としてのつきあいに戻るべきだろう.冷徹に,利害が一致するところだけで組めば良い.彼の国は,二等国日本を追い抜いたそうであるから,何ら日本が支援を「強要する」必要はないだろうし.
逃げるな「安保反対派」― 米国の「尖閣安保条約適用」声明に抗議行動を起こさない理由を説明せよ!

全くその通り.断固抗議してもらいたいものだ.「このような声明は国際社会に無用の混乱をもたらすものであり,そもそも日米安保条約など,平和憲法を擁する平和国家日本に全く不必要なものである.全ては安保条約が悪なのであり,断固破棄を要求する!」とかね.いい機会ではないか.

また,竹島問題に関して,例えば日本共産党はさすがに冷静な外交交渉で解決を 竹島問題 志位委員長が会見というコメントを発しているが,社民党は全く触れておらず.

このあたりが,彼らが(一時期大きかった)支持を失った原因かな.

改正鉄道敷設法再び?

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脱原発法制定へ始動 大江健三郎さんら 全国組織を設立

その昔,鉄道敷設法というものがあって,「どの地方路線を建設するか,いちいち議論する(=政争となる)のは面倒」なので,法律の別表に建設すべき予定線を書き込んだ法律を作った.別表も含め「法律」となったことで,後々の政府を拘束することにもなった.

当時法律制定を主導した政友会関係者からすれば,成功だったのかもしれない.

しかし,現代の目からすると,「赤字83線」や「特定地方交通線」の廃止,それらを一因とした国鉄の分割民営化など,かかった社会的コストは決して看過すべきではない.

こういった意味で,法律で政策を縛ることは適切ではない.
それよりも,「冷静」で「建設的」で「科学的・技術的根拠」に基づいた議論を常に続けることが重要である.

まあ,この『「冷静」で「建設的」で「科学的・技術的根拠」に基づいた議論』ができていない現状が最大の問題だが.

# オフトピだが,そういった意味で,「マニフェスト」ってのも大きな問題.
# 少なくとも,実現不可能なものを掲げることは害にしかならないのでやめてほしい.
# まあ,本気で政権を取る気がない,という風に見れば良いのかもしれないが.

危険な動機至純論

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英雄の愚行に拍手はすまじ( 小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明)

括弧付きの「英雄」なのだけど.

この著者,今は無き(?)雑誌「Asahiパソコン」でコラムを書いており,当時からおもしろいヒトだと思っていた.

それはともかく,「憂国の士というものがあって,国が滅びるのだ」と言ったのは勝海舟だった(と思う)が,けだし至言である.「憂国の士」と言った時点で,すべての批判が耳に入らなくなる.

で,「憂国の士」が結果的に国を滅ぼした歴史を,日本は持っている.日独伊三国同盟締結前後は,そういった「憂国の士」が策動した.また,世論も強硬論に賛成した.
# それが,現実の政策決定にどれだけ影響したか,は議論の余地があるが.
その結果は,ご存知の通り.

また,動機至純論(動機が立派であれば,その行為も一定の見るべき点があるという論.)も危険である.動機が立派でありさえすれば,どのような手段も許される,にすぐエスカレートする.ガキじゃないんだから,行為責任論で行かねばならない.
# これは,五・一五事件や二・二六事件で見られた.

さて,外から見ていると,どっかの国がそっくりな状況である.

彼らが,大きな代償を払わないでいられることを祈る.願わくば,彼らの大嫌いな大日本帝国の歴史を学んでいることを.

「島を返せ」中国河北省で尖閣巡り反日デモ

両国それぞれ問題があるように見えるが,元々は,日本が自ら蒔いた種だからなあ.
# というか,他国の「内政」に文句つけても効率悪いし.
# ただ,日本人の視点からすると,「彼らが」歴史をないがしろにしたつけがそろそろ回ってきた様に見える.

尖閣に関しては,「周辺国に配慮」して実効支配を粛々と示す施策を怠ってきたせい.
竹島に関しては,確たる資料的裏付けもなく「謝罪」なんぞをしたせい.
# もちろん,どっかの国みたいに,事実を曲げて謝罪をするなといっているのではない.
# 資料をそろえた上で,事実に基づいて,相手が受け入れるタイミングでせよ,ということ.

そして,その根っこには,「自分の領土は自分で守る」という当たり前のことを避けてきたことがある.
そろそろ,「尖閣は日米安保条約の範囲内か否か」などと寝ぼけたことを議論するのではなく,
身の丈と環境にあった安全保障を議論する政治であるべきではないか.
# 当然のことながら,何も自衛隊を前面に出せといっているのではない.
# 軍事力は,国家の独立を保つために他の手段がない時に行使するものである.
# 運用は抑制的でなければならない.
# すくなくとも,日本は小国ではないのだから.

その条件のもと,自衛隊・海上保安庁は最低限の任務を果たしてきた.
また,目下のところ両国が軍事的冒険をするオプションをつぶしている.

しかし,ROE(交戦規則)すら明確ではないという状態では,今後重大な問題になろう.
中期的に,腰を据えて「普通の」法整備を粛々と進めることが大事である.

でも,こんな地味で各方面から横やりが入りそうな(かつ,票にならない)問題,今の永田町にできるかなあ.
(国政進出が噂される)どっかの市長は短気で気まぐれだから,一気に変なものを作りそうだし.

それでも,やることはやらなければならない.以前と比べれば,安全保障に関する理解は格段に上がっているし.
# 以前がひどすぎたのだが.
# その原因の1つと考えることは,大学に安全保障の研究者が少ないこと.
# 安全保障の研究を避けていることは,日本の大学の大きな欠陥だ.(これは戦前から一貫している)

今後も注視が必要である.

「並行在来線」の余波

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JR北海道、江差線の木古内―江差廃止検討

まあ,本来,松前線と一緒に廃止されていてしかるべき区間だから,前々から予測はされていたので驚くには値しないのだが,「並行在来線」を体のいい理由として自社から切り離し(≒廃止し)ている,という批判が上がりそうだな.函館本線小樽-札幌は自社所有のままとする方針のようであるから,その思いをいっそう強くする.

当然,JR北にも言い分はあって,採算がとれているならばまだしも,不採算路線が地域輸送として必要であれば,自前で何とかせよ,ということだろう.

今回の対象区間は,バス転換した方が良い区間だろう.盲腸線だし,江差町は振興局所在地だが,求心力がそれほどあるわけでも無し.

ただし,鉄としては,寂しい.